満天☆青空レストランでは、本日「入野谷在来そば」をご紹介します!
信州三大そば名産地の一つ、長野県伊那市高遠町の「入野谷在来そば」は、一度は途絶えかけた伝統のそば品種です。
地元の人々や行政が一丸となって復活させたこの在来そばは、香りと味わいの深さが特徴で、他のそばとは一線を画す存在として注目されています。
このそばの復活には、数々の試練と熱い想いが込められています。
番組では、このそばがどのように復活を遂げたのか、栽培の背景やそば作りにかける地元の熱意がたっぷり紹介されます。
独特の香りと風味豊かな入野谷在来そば、ぜひその歴史と味わいに触れてみてください!
【青空レストラン】入野谷在来そばは一度途絶えかけた幻の味!そのルーツを探る
入野谷在来そばとは、長野県伊那市高遠町の入野谷地域で栽培されていた伝統的なそば品種です。
消失の危機を乗り越え、地元の人々の尽力により復活した経緯があります。
① 入野谷在来そばの誕生と伝統
入野谷在来そばは、かつて信州三大そば名産地の一つとして名を馳せていました。
江戸時代から栽培され、風味豊かなそばとして親しまれていたのがこの「入野谷在来」です。
そばの粒が小さく、独特の香りと味が特徴とされ、多くのそば通に愛されてきました。
しかし、その小粒で風に倒れやすい性質が栽培において課題となり、収量の高い改良品種に取って代わられることになったのです。
古き良き伝統の味わいが絶え間なく愛され続けていたそばです。
② 戦後の消失と改良品種への切り替え
戦後の食糧難時期、入野谷在来そばは「信濃一号」という収量の多い品種に切り替えられ、地元での栽培はほぼ途絶えてしまいました。
当時の栽培切り替えは、地元の農家にとってもやむを得ない選択でした。
入野谷在来そばは姿を消し、長い年月を経てその存在も忘れ去られてしまいます。
ところが、2000年代に入り、「かつての入野谷在来そばが美味しかった」との地元の声が集まり始め、復活への動きが始まるのです。
伝統の味をもう一度と願う地元の人々の声が、この復活の始まりです。
③ 復活の取り組みとプロジェクトの立ち上げ
入野谷在来そばの復活は、2009年頃に始まりました。
地元の人々や行政が協力し、長野県の試験場で保存されていたわずか20グラムの種から復活が試みられました。
少量の種からの栽培は困難を極めましたが、地元の農家や関係者が一丸となり、プロジェクトが正式に立ち上げられます。
この動きが「入野谷在来夢プロジェクト」として発展し、現在に至るまで入野谷在来そばの復活と普及が進められています。
幻のそばを復活させるための熱い想いがこのプロジェクトに込められています。
入野谷在来そば復活のプロセスと苦労
入野谷在来そばの復活には、数々の試練と忍耐が必要でした。
栽培から試食まで、香りと味の特徴が再び注目を集めています。
① 種の発見と発芽への挑戦
復活プロジェクトの第一歩は、長野県の試験場で保存されていたわずか20グラムの種の発見でした。
しかし、古い種であったため発芽が不安視され、実際に播種した300粒のうちわずか6粒だけが成長するという厳しいスタートとなりました。
この6粒から42粒、さらに500グラムへと増やし、2年の歳月をかけて1キログラムまで育てることに成功します。
地元の人々の熱意と努力が、絶え間ない挑戦を支えたのです。
少量の種から復活させるという試練の中で、多くの人の想いが込められています。
② 試験場との協力と増殖の成功
試験場と地元行政が連携し、入野谷在来そばの増殖が進められました。
関係者の協力のもとで少量ずつ収穫を重ね、ようやく安定した栽培が可能となります。
試験場での厳格な選別と指導のもと、風味豊かで香り高いそばの品種として増殖が行われました。
このプロジェクトがさらに地域の活性化を促し、多くの人々の注目を集めることとなりました。
一つ一つの工程が、丁寧な管理と協力の中で進められたのです。
③ 試食会での評価と香り・風味の特徴
復活した入野谷在来そばは、2016年に初の試食会が開催されました。
独特の強い香りと、シナモンや黒糖を思わせる甘い香ばしさが特長で、参加者の間で驚きと興奮を呼びました。
試食会での反響により、入野谷在来そばは「香り高く力強い味わい」としてそば通からの評価も高まり、幻のそばとしてその名が広まりました。
地元の誇りとして再び脚光を浴びる存在となったのです。
その香りと味わいが、多くの人を魅了したのです。
現在の入野谷在来そばと地域での提供店舗
現在、入野谷在来そばは地域での生産体制が整い、地元のそば店で提供されています。
伝統の味わいを楽しめる場所が増えてきています。
① 地域のそば振興会と栽培体制
現在、入野谷在来そばは「入野谷そば振興会」が中心となり、地域内の複数の集落で栽培されています。
栽培に関する厳しい基準が設けられており、交雑を防ぐための隔離や適切な管理体制が維持されています。
入野谷在来そばを次世代に伝えるため、農家や行政が一体となってその普及を支えているのです。
地元の誇りを守り続けるため、地域全体で取り組んでいます。
② 入野谷在来そばの特徴を活かした提供方法
地元のそば店では、入野谷在来そばの持つ独特の香りと風味を最大限に引き出すための工夫がされています。
「壱刻」などの店舗では、甘皮をすべて挽き込むことで香りを際立たせたり、茹で時間を短くして風味を閉じ込めたりといった独自の方法が採用されています。
提供店ごとに少しずつ異なる味わいを楽しめるのも魅力です。
各店のこだわりで、入野谷在来そばの魅力がさらに引き出されています。
③ 長谷・高遠・伊那エリアの提供店舗一覧
現在、入野谷在来そばは以下のエリアにある9店舗で提供されています。
各店舗がこだわりの製法で自家製粉し、入野谷在来そばの魅力を最大限に引き出しています。
店舗名 | 住所 | 電話番号 |
---|---|---|
壱刻 | 長野県伊那市高遠町西高遠 | 0265-94-2221 |
華留運 | 長野県伊那市高遠町西高遠 | 0265-94-4277 |
ますや | 長野県伊那市高遠町東高遠 | 0265-94-5123 |
紅ざくら | 長野県伊那市高遠町東高遠 | 0265-94-5580 |
杣蕎麦 | 長野県伊那市長谷中尾 | 0265-98-2755 |
きし野 | 長野県伊那市東春近 | 090-9993-4622 |
こやぶ | 長野県伊那市中央 | 0265-72-0333 |
こやぶ竹聲庵 | 長野県伊那市西箕輪 | 0265-78-9966 |
梅庵 | 長野県伊那内 | 0265-76-5534 |
この特別なそばは、これらの店舗でしか味わえない貴重な体験です。
【青空レストラン】入野谷在来そばは一度途絶えかけた幻の味!そのルーツを探る:まとめ
「入野谷在来そば」は、長野県伊那市高遠町の伝統的なそば品種であり、かつて信州三大そば名産地の一つとして名を馳せました。
戦後の食糧難によって一度は姿を消しましたが、地元の人々や行政の努力によって、わずかな種から見事に復活しました。
香り高く、シナモンや黒糖を思わせる独特の風味は、そば通からも高い評価を受け、試食会でも大成功を収めています。
現在、入野谷在来そばは地域のそば店で提供され、伝統の味を楽しむことができます。
今日の「満天☆青空レストラン」で取り上げられるこのそば、ぜひ一度、その魅力に触れてみてはいかがでしょうか?
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